CCA REPORT遠隔コミュニケーションを知る

企業と投資家を結ぶプラットフォームとしての「決算発表電話会議サービス」

2016.11.02

自社の企業価値に相応しいマーケットからの評価を獲得するためには、自社が重視する投資家層が何を基準に投資判断を行っているかを的確に捉える必要があります。
今回は、信頼のおける調査データから投資家が投資判断においてどのような企業価値を重視しているかを分析し、現状のIRコミュニケーションにどのような変革の余地があるかを考察していきます。

投資家が優先判断する企業価値を把握していますか

そもそもIRは企業と投資家とが互いの意思疎通を図ることを目的に始められた取り組みですが、財務価値を追求するあまりの経営側の不正会計処理、金融資本側の暴走(サブプライムローン、リーマンショック)、投資家側の投機的な資産運用など、「近年ますます企業と投資家との間での円滑かつ安定的なコミュニケーションを阻害するような事象が進展」(以下調査の案内文より)しています。

このことを憂いた経済産業省と日本IR協議会では、企業と投資家とのコミュニケーションギャップを埋めるために、2012年12月に「持続的な企業価値の創造のための IR/コミュニケーション戦略に関する実態調査」を実施しました。調査に回答した上場企業583 社(記名574 社/匿名9 社)から、各企業のIRへの取り組み方や投資家とのコミュニケーション課題に関して興味深いデータが得られています。

この調査の「投資家からの問い合わせや関心が高い開示情報」の設問に対して、定量的なIR開示情報として報告義務のある「連結財務諸表などの財務情報」に高い関心を示す投資家の割合が72%に対し、次期会計年度の見込みに過ぎない「業績予想」が89%、「経営者の業績見通し」が76%という回答が得られています。また、定性的な情報として「中期経営計画」が67%、「経営目標」が64%、「ビジネスモデルや戦略の情報」が63%の順に続き、投資家は企業の評価において現在の業績や投資価値よりも将来の成長ポテンシャルを重視する傾向があることが読み取れます。

IR情報開示に求められる4つの視点

一般にIR情報の開示においては、法律により「法定開示」*1 が、証券取引所の規則により「適時開示」*2 が求められているため、<透明性>と<信頼性>の高い情報開示が基本とされています。

しかし、「持続的な企業価値の創造のための IR/コミュニケーション戦略に関する実態調査」からは、連結財務諸表や投資効率データに示される定量的なIR情報よりも、むしろ数値化できない企業の<成長ポテンシャル(成長可能性)>に投資家が関心を寄せていることが読み取れます。

さらに、NISA(少額投資非課税制度)の導入により増加する個人投資家に焦点を当てれば、機関投資家のように明確な投資判断基準を持たない上に、情報接触機会がテレビや雑誌、インターネット、口コミと多様であることから、一言で言えばその企業が好きか嫌いかという<企業への共感性>が大きく問われてくることになります。これは、財務価値の追求のみに偏重したこれまでの資本市場への反省と持続可能な社会への世界的な希求から、“ESG(環境・社会・ガバナンス)情報の適正な開示を前提とし、企業価値創造のプロセスを明確に提示する”方向へと歩み出したIRの方向性と軸を同一とするものと考えます。

*1 法定開示

会社法では「株式会社は各事業年度に係る計算書類(貸借対照表、損益計算書その他株式会社の財産及び損益の状況を示すもの)及び事業報告並びにこれらの附属明細書」の作成を義務づけ、金融商品取引法では有価証券報告書を決算日から3カ月以内に所轄の財務局に提出することを義務づけています。

*2 適時開示

証券取引所の規則では、一定会計期間毎の決算概況を記した決算短信は、決算日から45日以内に開示することが定められています。また、増資やM&A、被災や減損などの業績および資本構成に大きな影響を与える事案か発生した場合にも、速やかに発表することが求められています。

適正なIR情報開示を実現する4つの提案

企業と投資家とのコミュニケーションギャップは、その企業が重視する投資家層(個人投資家・機関投資家・海外投資家・潜在投資家)に対し、“最適化されたIR情報をリアルタイムかつ最適なタイミングで提供する”ことができていないために生じているものと考えられます。

以下に、適正なIR情報開示のために必要な4つの視点<透明性><信頼性><成長可能性><企業への共感性>から、現状のIRコミュニケーションの改善点を考察していきます。

①透明性:リアルタイムかつフェアなIR情報開示

透明性あるIR情報開示とは、企業にとって不利な情報を隠さないガラス張りの情報開示だけでなく、誤った投資判断を導かないように即時性ある情報開示をも含むところとなります。特に、先を読んで投資を行う機関投資家やネットトレーダーにとっては、有価証券報告書などの「法定開示」や決算短信などの「適時開示」は単なる結果報告に過ぎず、まったく役に立ちません。的確な投資判断を促すためには、たとえば企業サイトの株主・投資家向け情報ページで、リアルタイムな株価推移や企業の成長を具体的に可視化するKPI(主要業績評価指標)の変動を積極的に開示していく姿勢が求められます。

また、透明性あるIRコミュニケーションを行うためには、一部の投資家に情報開示が限定されることなく公平に同一の情報を開示することも求められます。たとえば、指定された日時にひとつの会場に集まった株主だけに向けてコミュニケートする決算説明会や会社説明会では、公平性が著しく欠如したものになってしまいます。国土が広大な米国では、1つの会場で行われるIR説明会やプレゼンテーションの状況を、遠隔会議サービスを活用して全土の投資家にライブ配信もしくはオンデマンド(利用者のリクエストに応じた時間差)配信しています。この手法ならば、遠方にいる海外投資家や潜在投資家にもIR情報に接する機会を公平に提供でき、IRコミュニケーションの透明性をより高めていくことができます。

②信頼性:企業価値を第三者評価するチャネルの確保

金融機関の融資判断において最重要視される「経営の安定性」や「財務の健全性」は、業績や財務諸表に如実に現れるため、機関投資家やネットトレーダーなどのプロ投資家は、それを分析し投資効率性を導いて的確な投資判断を行うことができます。しかし、一般の個人投資家は明確な投資判断基準を持ち得ないため、第三者からの評価や意見をアナウンスするなどの配慮によりIR情報の信頼性を高めていく工夫が求められます。

金融資本とICT技術が先行的に発達した米国では、1990年代から電話回線を通じて機関投資家やアナリストが経営会議に参加し、自らの評価や意見を経営に反映させていました。現在ではその状況をビデオ会議サービスを併用してインターネット上からストリーミング配信することにより、会議に参加できない投資家への合意形成と企業価値への正当な評価の獲得に役立てています。企業からの情報発信の場に、信頼できる第三者の評価をシンクロさせて発信することは、開示情報の信頼性と説得力を高める有効な手段として機能します。

③成長可能性:企業IRサイトのプラットフォーム化

孫正義氏が20億円を出資した中国のECベンチャー企業アリババ・グループが、やがてIPO時に8兆円の含み益をソフトバンクグループにもたらしたように、優れた投資家は企業の成長ポテンシャルを最重要視して投資を行います。一般に企業のIRサイト(株主・投資家向け情報ページ)では、決算短信や財務情報などの「法定開示」や「適時開示」のみに集中した開示を行いがちですが、数値化できない企業の<成長ポテンシャル(成長可能性)>こそ積極的に示す姿勢が求められます。

たとえば、伊藤忠商事株式会社の「IR(投資家情報)」 ページでは、「個人投資家の皆様へ」というコーナーを設け、社長からのメッセージ動画も交えて、自社のビジネスモデルや成長戦略、株主還元についてわかりやすく解説しています。このように自社が重視する投資家層に向けて、企業のビジネスモデルや成長戦略などの関連する情報を集約したプラットフォームを構築することは、数値化できない企業の成長ポテンシャルを示し、企業と投資家との新たな信頼関係を築くことへとつながります。

④企業への共感性:企業トップと投資家との対話の場の確保

<企業への共感性>の獲得において、直接的なコミュニケーションほど有効な手段はありません。AppleやFacebookの急成長に示されたように、明快で共感性の高いビジョンとそれをわかりやすく語れる強力なリーダーの存在は、それだけで市場や投資家を魅了することができるからです。

投資家向け会社説明会や経営計画発表会などのIR説明会は、企業のトップが投資家に直接的に語りかける場となりますが、その対象を会場に集まった投資家だけに限定してしまうのは非常にもったいないことだと思います。ビデオ会議サービスを活用して、その状況をインターネット上でライブ配信もしくはオンデマンド配信すれば、以前より自社の製品や活動に興味を感じていた潜在投資家にもコミュニケートしていくことができます。同様に、通常の電話回線で誰とでもすぐにつながる電話会議サービスを活用して、投資家と企業トップが直接対話する機会を設ければ、企業と投資家とのコミュニケーションギャップなど即座に解消されていくことでしょう。密度の高いコミュニケーションほど、<企業への共感性>を高めるものはありません。

まとめ

企業が投資家から適正な価値評価を獲得するためには、開示するIR情報の<透明性>と<信頼性>を高め、<成長可能性>と<企業への共感性>をより強力にアピールしていくことが求められます。

コーラス・コールアジアの「IR説明会サービス」は、高品質・高音質な電話会議サービスとオンデマンド配信型のビデオ会議サービスを併用して、たとえ自社の会議室からでも公平かつ密度の高いコミュニケーションを成立させ、事前準備を要さない即時性ある情報開示により、定量化できない企業の成長ポテンシャルをも明確に伝えることができる遠隔会議サービスです。

現状のIRコミュニケーション課題を改善し、企業が重視する投資家層に向けて“最適化されたIR情報をリアルタイムかつ最適なタイミングで提供する”プラットフォームとしてお役立ていただければ、幸いです。

参考:IR説明会サービス|コーラス・コール アジア

 

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