CCA REPORT遠隔コミュニケーションを知る

企業と投資家の新しい時代を切り拓く遠隔会議サービス~歴史から読み解くIRコミュニケーションの進化~

2016.11.02

自社の企業価値に相応しいマーケットからの評価を獲得するために、企業はIRという概念が生まれた当初から投資家の要望や市場の変化を読み取り、コミュニケーションのあり方に様々な工夫を施してきました。
今回は、IRの進化の歴史を紐解くことで、今の時代に相応しいIRコミュニケーションのあり方を考察していきます。

1950~1960年代:IR黎明期

IRの歴史は、1953年に米国のゼネラル・エレクトリック社(以下、GE)が株主とのリレーションシップを図るための専任組織としてIR部(Investor Relations Services Department)を創設したことから始まります。

1950年代の米国は冷戦による軍需の拡大と政府の景気環循環対策により民間にも所得が潤沢に分配されて個人投資家が増加し、主に富裕層で構成されていた企業の株主構造にも変化が現れてきました。個人株主との関係性をより深めていくために、GEのIR部では「業績数値や投資効率の報告」や「投資アドバイザーやアナリストなどへの啓蒙活動」といった従来の手法よりも、「年次報告書などの発行」、「コミュニケーションの効果測定や株主行動調査」、「株主の考えや要望を踏まえた経営陣へ情報伝達」といった施策を重視し、個人株主へのコミュニケーションを活発化していきました。このため、黎明期のIRは企業PR活動の一環として位置づけられることになりましたが、個人株主の獲得効果が高いことから次第に米国企業に浸透していきました。

1970年代:アナリスト対策としてのIR

1970年代になると米国では資本力を背景とする機関投資家が勃興し、IRは個人株主よりも株式市場への影響力の高い機関投資家への対策を重視し始めます。特に、機関投資家の主力である企業年金が投資対象企業の業績を短期スパンで評価して株式を売買する投機的な資産運用を行ったため、1970年代のIR活動は機関投資家の売買行動に影響を与えるアナリストへの啓蒙活動(説明会の開催・個人レベルでの面談)に力点が置かれていました。

一方、日本においてはまだIRの概念は導入されず、米国で活動する一部の日本企業がニューヨーク証券取引所に上場し、SEC(アメリカ証券取引委員会)基準での情報開示を適用した事例のみに留まります。

1980年代:株主とのコミュニケーションの重視

米国ではM&Aが急増し、敵対的買収からの防衛を図るために、企業は株主とのコミュニケーションをより重視し始めます。「株主行動調査」や「株主の考えや要望の把握」に再び重点が置かれ、株主総会や決算報告会でも株主の理解や共感を深めるスタイルのプレゼンテーションが行われるようになりました。

そのユニークな事例として、ペプシコCEO時代のジョン・スカリー氏が1982年に行ったIR説明会が挙げられます。斬新なマーケティング手法でペプシコーラの売上急拡大を牽引したスカリー氏は、決算報告会のステージ上にMacintoshコンピュータ数十台を並べ、色鮮やかなグラフに示した業績数値を次々とモニター画面に映しながら決算報告を行いました。ペプシコ社の業績向上よりもMacのインターフェースの見事さに目が奪われるプレゼンテーションに、スカリー氏の部下であったロジャー・エンリコ氏(後のペプシコCEO)は「ここまでやる必要があったのか」と首をかしげましたが、後日、スカリー氏からApple社にCEOとして迎え入れられたことを打ち明けられて大いに納得したという、この時代を象徴する笑い話です。

1980年代後半には、日本にもIRの概念が導入され、IR活動を展開する企業が散見されるようになりました。

1990年代:ICTイノベーションと企業価値の多様化

1990年代には、IRのあり方に大きな影響を与える2つの潮流が発生します。その1つが、ICTイノベーションの確立と浸透です。1990年代後半からのパソコンおよびインターネットの普及はネットトレーディングを成立させ、企業のIRコミュニケーションの手法もインターネットや電話回線を用いた情報開示へと多様化していきます。

2つめは、企業価値の多様化です。地球環境問題の高まりからSRI(社会的責任投資)の概念が生まれ、企業のCSR活動や社会貢献性などの非財務価値も投資判断の材料とされるようになりました。IRもステークホルダー・エンゲージメント(企業とその利害関係者との対話・信頼関係)の一環として捉えられ、株主や投資家だけでなく、従業員や取引先、顧客や地域社会といった幅広いステークホルダーを対象としたIRコミュニケーションが行われるようになりました。

日本では、1990年に旧四大証券会社(野村証券、大和証券、日興証券、山一證券)がIR室やIR子会社を設立して本格的にIRサービス業務を開始し、1993年には日本IR協議会が設立されました。これにより各企業もIR活動を本格化し、インターネットの普及に伴って多くの企業サイトに投資家向け情報ページが設置されるようになりました。

2000年代:コンプライアンスの重視と公平な情報開示

2000年代に入ると、この2つの潮流を加速するような事態が米国で起こります。不正な会計処理により不当に株価を吊り上げたエンロン社およびワールドコム社の経営破綻ですが、これを受けて米国では2002年にサーベンス・オクスリー法(SOX法/投資家保護法)が成立し、財務報告およびIR情報開示にコンプライアンスが強く求められるようになりました。

IR情報開示においては、「レギュレーションFD(公正情報開示規則)」が導入され、機関投資家や個人投資家の区別のないフェア(公平)な情報開示を行い、投資家側からのチェック機能を働かせていくことが要求されるようになりました。これにより各企業では各種IR説明会においても、ICT技術の進化により情報伝達の速度や領域が拡大した電話回線や、双方向コミュニケーションを成立させるインターネットを積極的に活用するようになっていきます。

2010年代:ESG情報の適正開示のためのICTイノベーション

現代のIRは、財務価値を追求するあまりに世界経済を破綻させたリーマンショックの反省を踏まえて、“ESG(環境・社会・ガバナンス)情報の適正な開示を前提とし、企業価値創造のプロセスを明確に提示する”新たなステージへと向かっています。

米国では、「レギュレーションFD」に基づき、主要な株主・アナリストが電話会議サービスを通じて経営に対するチェック機能を働かせ、その状況をネット上から個人投資家に向けて公平にストリーミング配信するIR説明会がスタンダードな手法となっています。

日本では、低金利時代を背景に2014年からNISA(少額投資非課税制度)が導入され、個人投資家との双方向コミュニケーションがより重視されるようになりました。また、スマートフォンやSNSの普及を背景に個人の情報接触機会が多様化し、各企業でも従来の会社説明会や投資家向けWebサイトのあり方に新たな工夫を施す試みが活発化していきます。

2010年1月。ソフトバンク(現ソフトバンクグループ)CEOの孫正義氏が、Ustream社に出資したことを契機に、動画ストリーミング配信サービスとTwitterを併用して決算説明会の状況をライブ配信する試みを開始しました。ライブおよびオンデマンド(利用者のリクエストに応じた時間差)配信により業績の進捗や成長戦略を共有し、Twitterにより「株主の考えや要望」もリアルタイムに確認できる決算説明会は、同社の企業理念である“情報革命で人々を幸せに”を具現化し、ソフトバンクの市場評価や企業価値を大きく高める結果となりました。

業態や経営戦略によって株主構成は変化し、IRコミュニケーションの力点も変化していきますが、情報接触チャネルが多様化した現在、企業が重視する投資家層(個人投資家・機関投資家・海外投資家・潜在投資家)に向けて、“最適化されたIR情報をリアルタイムかつ最適なタイミングで提供する”ことは必然の課題となります。IRコミュニケーションのあり方は、ICT技術を用いて企業が重視する投資家層との接触機会を拡大し、企業の価値と成長を共有することで投資家とのより深い信頼関係を構築する方向へと明らかに向かっています。

まとめ

コーラス・コールアジアの「IR説明会サービス」は、最もクリアな音声を担保する電話会議サービスを用いて企業が重視する投資家との対話の機会を設け、その状況を国内外のあらゆるステークホルダーに向けてライブ・オンデマンド配信で伝えることで、“最適化されたIR情報をリアルタイムかつ最適なタイミングで提供する”遠隔会議サービスです。

オンデマンド配信時のリプレイ機能やメールによる質疑応答機能により会場での説明会と同条件の双方向コミュニケーションを成立させ、コーラス・コール社11カ国の連携を活かしたグローバルな対応により企業のIR戦略に最適なコミュニケーションを実現します。

IR情報の適正な開示によりステークホルダーエンゲージメントを確立し、自社の企業価値に相応しいマーケットからの評価を獲得するための強力なパートナーとしてお役立ていただければ、幸いです。

参考:IR説明会サービス|コーラス・コール アジア
《電話・ビデオ会議サービスを活用したIR活動の仕組み》

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